ありがとう『成瀬は天下を取りに行く』

ありがとう『成瀬は天下を取りに行く』

『成瀬は天下を取りに行く』(宮島未奈さん)を読み終えた。主人公の成瀬あかりが、熊本で過ごした小学生時代の懐かしい友人と重なって、とても懐かしい思いをさせてくれた。

成瀬の、変わり者で周囲に流されず生きるところや、「である調」のような口調なんかも、その友人に似ていて。当時彼女に僕は「原田少年」と呼ばれていたのを思い出した。同じクラスで仲良くしてくれていて、確かドラクエが好きで、ドラクエⅣのキャラクターが書かれた下敷きをもらったことや、その下敷きの写し絵をいっしょに描いて遊んだのも覚えている。当時はその呼ばれ方を変だと思ったことはなかったが、今考えると、同じ年の友人を「少年」と呼ぶ女の子は珍しいだろう。

ただ、小学校卒業前に彼女は確か北海道に引っ越していった。同じ地域の官舎に住んでいたと思うが、まさに引っ越しのトラックで出発したところに居合わせ、走りながら「さよなら」をしたような記憶がある。それ以来、彼女がどこで何をしているかは全く知らないのだが、きっと面白い人生を送っているだろうな、と時々思い出すような人だ。

主人公の成瀬に相棒の島崎。幼馴染の二人の友情が清々しい思いにさせてくれる。子どもたちにも読んでほしいものがたりだ。

Source: rada25

コメント