『汝、星のごとく』

ここ数週間はこの本(凪良ゆうさん)の世界に。物語の舞台はしまなみ海道沿いの島と、東京。
大学を出たばかりのころ、今治から尾道までレンタル自転車で走り切ったことがある。青い海と、ぽこぽこと浮かぶ小さな島々、島をめぐる心地よい風。あの忘れ難い景色が心に残っていたおかげで、瀬戸内に暮らしたことのない僕でも、物語のなかの情景を肌で感じることができた。恋愛小説でもあり、人生の選択を描いた小説でもあり、涙誘う本当に素晴らしい作品で、読後もまだ本の中から帰って来られない。凄惨な生活環境や、稀有な人たちとの出会い、人生の疑似体験ができる小説はありがたい。この作品に触れて日常には得難い心持ちになれて、この体験はきっと自分のためになるように思う。
生きたい場所で生き、会いたい人に会い、周りの大切な人にだけ自分のことを知って貰えていれば十分。情報過多で規制だらけの現代を、確かな足取りで生きるための大切なヒントも、主人公は教えてくれている。
Source: rada25
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